『gingascape EP』を出しました - 後書き、感想など
はじめまして、aimu(@aimu_53)と申します。
普段はラーメンを聴いたり音楽を食べたりしつつ、極稀に楽曲制作行為をするなどして生きている日本人です。最近ラーメン屋さん250週連続訪問を達成しました。
さて、去る2020年10月25日に催された「M3 2020秋」にて、私の新しいEP『gingascape EP』をリリースしました。
ポップミュージック4曲入り、今の120%を出した作品になっています。
SoundCloudはもちろん、BandcampでのDL購入や、Spotify、Apple Musicといった有料ストリーミングサービスでも聴けるようになっているので、未聴の方はぜひ聴いてみてください。
今回はこのEPの後書き的なものを、備忘録も兼ねてやっていきたいと思います。
アートワーク
アートワークってマジで重要すぎないですか?ライトノベルの表紙の女の子が可愛いからって理由でろくにあらすじも読まないままレジに持っていった経験のある人に共感してほしいです。
実際に曲を聴くまでその作品の印象はアートワークが100%なわけなので、ここはとにかく妥協なくこだわっていきます。まあ作るの私じゃないんですけど
こちらのアートワークを制作してくださったのはやまそとさん(@thanks_kazura)です。気がつけばもう2年くらいの関わりで、昨年の『sazanami EP』や、それ以外にもいくつか制作していただいています。勝負どころは全部やまそとさん。
「銀河といっても画像検索で出てくるような感じじゃなくて、もっと私たちの目線や心のなかで想像するような、抽象的なものです。タイトルと名義だけ入れてくれればあとは全部おまかせで!」みたいな超煙たいオーダーをした記憶があるのですが、それぞれ毛色の違うラフを3パターンあっさり上げてくれました。3つともとても良かったので、これ全部採用したいなどといった幸せな悩みでしばらく時間を取られましたが、抽象的な銀河への解釈が一致したこちらのラフを採用。その後は色味とか細かい部分に私が偉そうに口出しして完成って感じです。
メチャクチャ良くないですか?実際に曲を聴くまではこのアートワークが印象の100%ですから、スタートダッシュは大成功といっても過言ではないでしょう。 実際M3でもTwitterでもアートワークが素晴らしいという感想を多数いただいていて、その度に「いやぁ〜〜〜〜〜その通りなんですよね〜〜〜〜〜」と返していたりしました。
そんなやまそとさん、今の所アートワーク制作は私の作品でしかやられていない?っぽいので、音屋のみなさんぜひやまそとさんに声をかけてみてはいかがでしょうか。それでスケジュールがいっぱいになって私の入り込む隙がなくなれば絶望です。やっぱり程々にしといてください。
楽曲
01. gingascape (feat. 海)
EPのタイトルにもなっている、いわゆる表題曲のようなものです。
ボーカル曲は遥か昔に身内のクローズドな場所でボカロを数曲作ったりしていましたが、ここしばらくは完全に離れていました。
でもやっぱり自分はボーカル曲が好きだし(インストを聴き始めるのが遅すぎたのもあります)、なんだかんだ多くの人にアプローチしやすいのもボーカル曲である、つまるところボーカル曲から逃げるなという結論に至り、久々に書いてみることにしました。
作り方から思い出さなければならなかったので大変でしたが、上手い具合に速く騒がしく、自分の好きな感じになってくれて良かったです。Bメロが特に気に入ってますが、同主調を使って気持ち良くなってしまうのは多分じん大先生の影響なんだと思います。
作詞はもっと大変でした。苦手というかそもそも自分の語彙力が終わっているので誰かにお願いした方が良さそうな気もしましたが、歌やデザインと違って自分でもギリギリできる領域なので...
自室の椅子とベッドを分単位で往復し、迫りくる締切にゲボ吐きそうになりながら涙目で作った歌詞を歌ってくださったのは海さん(@umi_30ikeda)です。普段は池田さんと呼んでいるので以下池田さん。
数年前池田さんが当時組んでいたユニットの楽曲を聴いて一目(耳)惚れし、いつか自分の曲を歌っていただきたいなあと思っていましたが、今回ようやく曲と心の準備が整ったので声を掛けさせていただきました。秒で快諾してくださり感謝の極みです。
池田さんは昨今希少な気がするパワータイプのボーカリストで、なおかつ互いにボカロをルーツの1つに持っているので曲との相性の良さを感じましたし、シンプルに上手いので非常にスムーズにやり取りができました。その上レコーディングの時ハモリまで完璧に覚えてきてくださったおかげで収録がマジで秒でした。歌や仮歌、作曲など幅広く依頼を受け付けているそうなので是非。
レコーディングは七誌さん(@nanashi0089)のStudio KPPを利用させていただきました。録り音が良いのはもちろん、PMCのモニタースピーカーの出音がとにかくクリアで衝撃を受け、自分の目指したいミックスの方向性が見えてきた気がします。他にも音ゲーなど色々な話ができて最高でした。また行きます。
02. akatsuki sensation
1フレーズ書いては投げ出しているクッソ情けないプロジェクトファイル群を漁っていたらこの曲のサビの原型が見つかり、その上にXpand!2の三味線を載せてみたら良い感じになったのでそのまま頭パッパラパーで全編書き通した曲です。
リミックスをお願いする曲だったので展開はできるだけシンプルにしつつ、ダンサブルな和ロック(?)を目指しました。和風といえば陰旋法というあまりにも安直すぎる発想でBメロにブチ込んでみましたが、使い方がアレで正しいのかは知りません。
インストだと解説するようなことがほとんどない!苦し紛れに曲名の話ですが、この曲と過去曲「sakura foundation」はそれぞれかつての寝台特急「あかつき」「さくら」が元ネタだったりします。このシリーズはなんとなく続けたいです。
03. akatsuki sensation (teknizer's Remix)
teknizerさん(@tekk_a)をリミキサーとしてお招きしました。普段は九州方面でドタバタ学生生活を送ってらっしゃるようです。
依頼のDMこそ「ファンです!」などと突然気持ち悪い怪文を送りつけましたが、私がteknizerさんを知ったのは恥ずかしいことに今年で、春M3の当日でした。会場でたまたまXFDを聴いてメッチャ良い〜となり速攻で買いに行った記憶があります。
【🍨🍭告知🍪🍰】
— tk/teknizer (@tekk_a) February 29, 2020
teknizer 1stアルバム、「Dolcetic Cosmos」を3/1(日)春M3にてtekkamaki records サ-17a よりリリースします!
”宇宙”,”スイーツ”,”旅”をコンセプトに製作した新曲6曲 + 新合作曲1曲を収録しています!
頒布価格は1000円!
🍪🍰🍬🍦飛び出せ!スウィーティージャーニー🍨🍭🍩🎂 pic.twitter.com/fLISO70H0V
🍪🍰🍬🍦飛び出せ!スウィーティージャーニー🍨🍭🍩🎂 ←これすき
型にはまらない独創的な構造の楽曲、特にパキッとしたグルーヴセンスが飛び抜けて高くて、自分の対極にいるような憧れの存在です。しかしツイートを見ていると好きな音楽の方向性が似通ったりしていることがわかり、楽曲のIFを観に行くような気持ちで依頼させていただきました。
その結果、頭パッパラパーの曲が大人びた硬いエレクトリックミュージックになって返ってきました。聴きながらニチャアとしました。ファンですからね
「大人びた」というのは、BPMと四つ打ちを維持したまま楽曲のエネルギーをブチ上げすぎず、敢えて抑えめにしているということです。teknizerさん曰く原曲との対比を考えて意識的にそうしたとのことで、ここまで考えて作ってくださったことがとにかく嬉しかったです(曲調についてのオーダーは一切していませんでした)。それでもサビの付点とか、やっぱりルーツの近さが音ゲー的なものも含めて垣間見えるのが楽しいです。
teknizerさん、是非またいつか制作で一緒になりたいですし、そのためにももっとレベルアップしていかなければなりません。強くなれる理由を知りました。
04. marinpia
EPの書き下ろしではなく、太鼓の達人楽曲公募に提出した楽曲です。
私は太鼓の達人DS2に入っていた「ヌムジカ ac.10」に衝撃を受けて音ゲーを始めたので、多少なりとも愛とかリスペクトとかを伝えられるような曲を目指して作りました。どのくらい愛があるかと言うとこのくらいです(7年ぶりのAC復活初日の動画)
音小さくて大変だったけど譜面忘れてないよって動画(ヌムジカ よんばい ドロン) pic.twitter.com/l6YT9I4SIt
— 𝗮𝗶𝗺𝘂 (@aimu_53) 2018年8月8日
低速曲(といっても150ですが)を書くのは苦手だし、案の定おおがみさんのようなグルーヴ感は出ず自分全開みたいな曲になったし、渾身の変拍子トラップ地帯は提出した2週間後に出たとんでもない曲に見事粉砕されたし色々ありましたが、マスブチさんより準佳作の評価をいただくことができました。(結果発表ページ)
マスブチさんはおおがみさんと同じacシリーズの楽曲を制作していたり、なにより本当に尊敬しているコンポーザーだったので、聴いてもらえたという証拠があることが何より嬉しかったです。愛とかリスペクトとか、ほんの少しは伝わったんじゃないかなと思います。
まあ準佳作という結果自体は納得こそあれど満足できるわけもないですが、かなり気持ちを入れて作ったし、わずかながらも手応えを感じることができたので活動の記念碑的な曲として収録しました。
次のチャンスが訪れるまでにもっとレベルアップしなければなりません。強くなれる理由をまた知りました。
総括
好きなデザイナー歌手コンポーザーに依頼をすると、自分の好きなものが作られて最高〜 それらを自分の作品として自信を持って出すことができたのは誇りです。今できる最高のものを作れたと思います。
しかしM3のサークル参加もちゃんとした依頼も初めてだったので、ドタバタとして各所にご迷惑をかけてしまった感があり本当にすみませんでした。次からは余裕を持てるようがんばります...
あとフォロワー少ないしと思ってCDそんなに持っていかなかったら1部の時間にほぼ売り切れて(ありがたいことです)派手な機会損失になってしまったのは誰も得せず悲しいなと思いました。同人活動は在庫リスクと常に戦わなければならず、そのラインの見極めも難しいですが、今回を教訓に調整したいです。
というわけでgingascape EP、未聴の方も良かったら是非聴いてみてください。感想などいただけると、画面の向こうの製作者がニチャアとします。