あいむブログ

あいむのブログ、あいむブログ

『parallel EP』を作りました

どうも、aimu (@aimu_53) です。

最近は『THE ROLAND SHOW』と『歌舞伎町の蘭社長』ばっかり見ています。ホストという刹那的な職業にちょっと憧れというか、尊敬の念があります。

 

去る4月24日にM3-2022春が開催されました。強制ダブルスペース・開催時間の分割などが2年ぶりに解除され、2019年以前の賑わいが少し戻ってきたような気がします。サークル側からしたら地獄のような、お通夜以下の静けさが二度と来ないことを祈っています。ただ唯一リストバンド入場だけは継続してほしいです(一々カタログ出すのめんどくさかったので)。

 

さて、そんなM3-2022春にて新作『parallel EP』をリリースしました。

サークル参加・EPは1年ぶり、楽曲の公開に至っても9ヶ月ぶり。何してたんですか?弐寺が中伝になったくらいかな・・・。つまり前回M3-2021秋は「何もない」状態で一般参加したわけで、それが結構寂しかったので二度とそんな気持ちにならないようにしようと心を新たにして制作しました。作らないと何もない。

CDは結構焼いて持っていったんですが、参加者が増えたこともあってかおかげさまで完売することができました。本当にありがとうございます。

現在は各種サブスクの他、BandcampやBOOTHでダウンロード販売を行っています。YouTubeSoundCloudでも全部聴けます。M3翌日の0時というほぼインターバルなしでインターネットにサブスク含めて全公開しているサークルは割と希少なんじゃないでしょうか。好きなところで聴いていただけたら嬉しいです。

 

というわけで今回も解説などやっていきたいと思います。

 

parallel EP

何度でも書きますが、実際に曲を聴くまでその音楽作品の印象はアートワークが100%です。割とマジで音楽そのものよりも重要かもしれない部分を今回もやまそとさん (@thanks_kazura) に作っていただきました。

parallelということで、テーマはそのまま「並行」です。楽曲において並行といえば恋愛だったり、人間ドラマを歌ったりしがちかもしれませんが、そういった人間の感情とかは廃して、無機質に「並行」という単語から取り出して表現していただきました。

やまそとさんは神なのでいつもラフを様々な角度から3パターン上げてくださるのですが、シンプルながらテーマに忠実な一捻りのあるこちらがガン刺さりして決めました。他の2つも異なるアプローチで提案してくださり、メチャクチャ良いので別で公開したい気持ちがものすごくありますが・・・選択とは時に苦しいものです。

オーダーとしては「人間を入れないように」ということを毎回伝えています。明確に「わたし」や「あなた」を歌う感じの曲を作っていないのと、仮に人間だったとして男か女か、若いか年寄りかといった部分すら具体的にイメージできていないので、あやふやなまま入れるのも違う気がするというのが主な理由です。あとシンプルに無機物が好き。しかし楽曲がポップスであることから、内省的なアートワークになりすぎてはいけないのであくまでポップに。もう地味に付き合いの長いやまそとさんは、この絶妙な塩梅を汲み取ってくれます。本当にありがたい限りです。

並ぶと壮観(Spotify

 

01. parallel (feat. 唯乃)

陰キャの私にヤンキーの知り合いがいないように、どうしたって交わらないものってあるよね~みたいなお気持ちから書き始めた気がしますが忘れました。サビのメロディとコードがとても気に入っています。bVIIから半音ずつ下がっていって#IVに辿り着くところとか、IIm7の頭のメロディにシの音(移動ド)を当てるところとかメチャクチャ性癖です。あとCメロの上ハモがドとド#を往復するところとか、1ヶ所だけ3/4拍子になるところとかも最高ですね。勝手に性癖発表をしてしまい、すみません

ボーカルはluminary以来、二度目ましての唯乃さん (@s_memoria) です。名義がひらがなから漢字に変わり、ソロのシンガーソングライターとしてのライブ活動は去年で終了。今後は作家としての活動に力を入れていくそうです。前回サビにhiEbをちょこっと入れたら余裕で歌ってもらえたし、なら今回は大量にhiEブチ込んでもいけるやろwつって勢いで投げました。普通に歌ってくれました。すごい。キーを一つ下げることも考えたんですが、この曲でフラット調をやるとだいぶ雰囲気変わってきそうだったのでやめました(これは唯乃さんも同意してくれました)。

私の場合はボーカリストを先に決めてから(逆フラレガイガール)、その人にフィットするような、歌ってくれる方だけが120%ハマるような曲を作るといったことを意識してやっています。なので唯乃さんだからこそこのメロディを作れているというか、張りと脱力という相反する要素を同時に伸びやかに出力できる感じの不思議な歌声の持ち主なので、それをluminary以上にもっと活かした曲にしたつもりです。この声をドライ寄りの質感で扱うイメージがなかなかつかなくて、ついつい空間マシマシのツヤツヤにしてしまいます。自分の技術が向上すればもっと良い質感でお届けできるようになる気はしているので、がんばりたいです。

ボーカル収録は七誌さん (@nanashi0089) のスタジオ、Studio KPPで行いました。いつもお世話になっております。ちなみに収録の時唯乃さんが「存在しないハモリ」を即席でたくさん生成してくれたので、遠慮なくたくさん使わせてもらいました。ボーカル曲、他人にメチャクチャ助けられているということを強く感じた出来事でした。

 

02. narrow time (feat. しろさきあや)

EPで一番最後に作った曲です。締め切り超ギリギリだったしタイトルが『狭い時間』だし、もしかしたらSOSメッセージ的な曲なのかもしれません。結構コッテリした曲に挟まれているので、箸休め的なアッサリ感を意識して作りました。具体的にはコード進行が単純なこととか、BメロCメロがないこととかです。箸休めにしてはBPMが速すぎる気もしますが・・・。

ここ2年くらい色々なジャンルの音楽を聴いているつもりではいますが、やはり自分のインプットの根底には邦ロックがあり、あの勢いの良さとJ-POP的コードの両立によって生まれるエモさにずっと憧れ続けているんだなとこの曲を書いていて思いました。もしかしたら聴いただけでピンと来る方もいるかもしれませんが音速ラインが大好きです。この曲これ以上書くことあんまりないな。なんか雰囲気で楽しんでください。

ボーカルは初めましてのしろさきあやさん (@nekonisasami) 。元々同人のドの字もないニコニコ歌い手の人だったのに1年半前のあの曲のせいでこちら側に引きずり出された数奇な運命を持つ方へのご依頼がついに実現しました。しろさきさんはフォルテでもピアノでも幅広く良い質感の歌声を作れて、逆に言えばその分こちら側の操縦技術がかなり問われるタイプかなと思いました。個人的には弱めの繊細な響きがとても好きなのでそっち中心の曲も作りたい。しっかり練れば練るほどより良い曲が作れるボーカリストだと思います。歌唱依頼絶賛受付中(2022年5月1日現在)なのでみんなで依頼しまくりましょう。

 

03. sepia (feat. 橋本琉芽)

元々は去年の7月、『ROMANTIC EP vol.1』というフリーのコンピに収録させていただいた曲です。大変有名なメンツが揃う中で自分だけ浮いててウケるので併せてチェックしてみてください。いかんせん9ヶ月も前の曲なので、当時のツイートを読み返しながら解説します。

コンピで他の方の曲と雰囲気丸かぶりしてしまったらちょっと悲しいので、まずはそうならないように傾向と対策を考えた上で、自分の作風をすり合わせていくような作り方をしました。ROMANTIC EPで言えばエレクトロニック系の方が多かったので中速~高速の4拍子が多そうだと予測、なら自分は3拍子にすればちょっと目立てるかな、といった塩梅です。最終的にlow meowさん(3拍子超絶上手いマン)と被りましたが、曲のエネルギー的にlow meowさんはエコカーaimuはアメ車みたいな感じだったので住み分けは出来たかなと。

Dbのサビで始まりAメロですぐEに転調して大きな旅をして最後の最後でDbに戻ってくる、というのがsepiaのざっくりとした骨格です。転調を軸にした、アメ車らしい壮大な旅です。大きな旅をするには動機付けというか、行って帰ってくるためにそれなりの説得力が必要で、この曲の場合はサビのメロディ(明日へ向かって~のところ)をキーとして執拗に繰り返すことでラストにカタルシスが生まれるような試みをしました。結果5分半というえらい長尺の曲になりましたが、これは必然的に導かれた尺だったと思います。

途中5拍子がたくさん顔出してくるのはシンプルに私の性癖です。そもそも自分は5拍子を変拍子だと思っていない節があり、3拍子×2だと最後の1拍余って時間の無駄だから削るとおトクだよねみたいな感覚でやってます。中学の頃から太鼓の達人とかいう変なリズムの曲ばかり入っているゲームをやっていたし、ボーカロイドはインターネット特有の身体性のなさ故に変拍子の曲が多かったのでそのあたりで狂ってしまった感があります。それ以外だとthe cabsJYOCHOMaison book girlからは特に大きく影響を受けています。なんかオタクの長文になってきたので続きはまた今度。aimuの中でも上位の性癖なので今後も度々登場すると思います。

ボーカルは橋本琉芽さん (@ruga_H) です。もちろんこれまで書いてきたこと全て、ボーカルがルガさんと決まった後に彼女ありきで組み立てています(そのつもりです)。ルガさんは話してみた感じ無茶振りが利きそうな予感がしたので、展開多くて音域が広くてロングトーンをメチャクチャ要求してハモリもメチャクチャある曲を作って渡しました。初対面でこれをやると嫌われるリスクがありますが、曲を褒めてくれたので運が良かったと思います。こちらも収録はStudio KPPさんです。収録時、歌詞にメモ書きビッシリだったしMIDIと仮歌の音程が違う(すみません)ことも全部指摘してくれるくらい聴き込んで歌い込んできてくれてビックリしたと同時にとても嬉しかったです。

最後にこの曲に関してお詫びがあります。

 

総括

疲れた・・・作文が本当に苦手なので、ここに辿り着くまで普通に3日くらいかかってます。旅行レポみたいに画像ペタペタで終わるやつしかしたくない。

今回はインスト曲なし、全部ボーカル曲という構成になりました。インスト書くのをやめたとか諦めたとかそんなことは全然なく、単純にいま自分の中でボーカル曲のターンだったというだけです。お楽しみいただけましたでしょうか。

しかしまあ相変わらず制作スケジュールはハチャメチャで、思うように取りかかれないまま私生活のリズムを破壊し、EPの新曲とkochikaze dance合わせて計3曲のほとんど全ての工程を締め切り前1ヶ月で詰めるみたいなことをしていました。インストならまだしもボーカル曲でこれはあり得ないくらい重くてヤバかったし、luminary EPの総括の時に上げた反省点は結局少しも改善できておらず、自分自身には非常に落胆しているというのが正直なところです。幸せなことにCDは完売したし曲のこともたくさんの方に褒めていただけたのでメチャクチャ嬉しいですが、過程というか作った人間がこんなんなので申し訳ないというか、こんなに良い思いしていいものかという葛藤があります。音楽にも創作にも聴いてくれる方々に対しても失礼のないようにやっていくために、考え直さなければならない課題が山積みです。

 

先程チラッと出てきましたが、今回のM3ではこのEPの他にOin RECordsの『桜華爛漫』という和風テーマのコンピに『kochikaze dance』という楽曲で参加させていただきました。こちらもありがたいことにCDは完売、現在はBOOTHでダウンロード販売が行われています。ボーカルは早速二度目ましてとなるしろさきあやさんです。和風というテーマが与えられたことで今までとは一風変わったポップスへの向き合い方ができたような、ポップスとは何かを少し掴みかけたような気がする新機軸的な楽曲になっています。色々新しいことしすぎていて解説し始めたらsepia越えの文字数になりそう。気が向いたらTwitterで喋ってるかもしれません。

 

次回M3-2022秋は記念すべき50回目のM3だそうです。そんな大変めでたい回ですが、残念ながら私自身のサークル参加は見送る方向でいます。しかし去年とは違いどこかしらから曲は出る気がしています。それこそOin RECordsも参加となれば全力で曲書きますので。お楽しみに!

M3以外でも公募やらなんやら色々あるので、挑戦してみようかなと思っています。あと普通にシングルも出したいです。一体いくつ実現するのか・・・反省点を踏まえてやれるところまでがんばります。